ウォーターサーバーのお水は安全で美味しく飲めるというのが、当然のことのように言われています。
もちろん、安全で美味しいということには変わりありませんが、いつまでその安全な状態で飲めるのでしょうか。
お盆やお正月など実家に帰省する期間が長いと、その間サーバーのお水を飲む回数が減ります。
また、お仕事の都合や出張で家をあけるということもあるでしょう。
そこで、ウォーターサーバーのお水はどのくらいの期間なら美味しく飲めるのか、お水の種類によって違うのかなど、お水の賞味期限について詳しく解説していきます。
ウォーターサーバーで使うお水は種類によって賞味期限が違う
ウォーターサーバーで使われるお水には、「天然水」と「RO水」の2種類あり、それぞれ賞味期限が異なります。
サーバーやお水を選ぶ際の参考になりますので、賞味期限を覚えておきましょう。
長持ちするRO水の賞味期限
RO水とは、水道水などを「RO膜フィルター」を通して濾過したお水のことです。
RO膜は特殊なフィルターですので、不純物や雑菌はもちろん、分子の小さいミネラルさえも通しません。
そのため、不純物やミネラルが含まれていない真水を作ることができます。
ミネラルが除去されるため、真水の状態では美味しくありません。
ですので、メーカーによっては不純物を取り除いた真水に、ミネラルを添加して美味しい水にしてから販売しているところもあります。
RO水は極限まで不純物を取り除いているため賞味期限は長く、約6か月~12か月となっています。
天然水の賞味期限はRO水より短い
天然水は厚生労働省が認可した地域の湧水を採取し、雑菌や不純物を取り除いて、場合によっては熱処理などを行います。
それ以外は一切手を付けていない状態ですので、ミネラルもそのまま残っています。
つまり、「安心して飲める天然水」の状態にして販売しているのです。
ただ、RO水のように極限まで濾過して真水の状態にしているわけではありませんので、天然水はRO水より賞味期限が短くなっています。
天然水の賞味期限は約3か月~6か月が目安となります。
ウォーターサーバーで使うお水は未開封と開封後でも賞味期限は変わる
基本的にお水でも食品でも「未開封」の時と「開封後」とでは賞味期限が変わってきます。
ウォーターサーバーも同様に未開封と開封後とでは賞味期限が違ってきますので、どれくらいの違いがあるのか見ていきましょう。
未開封なら長期保存が可能!備蓄水にもなる
未開封と開封後で何が違うのかと言うと、「空気が入ることで雑菌が繁殖しやすい状態かどうか」ということです。未開封の場合、空気が入らない状態ですので開封後より賞味期限が長くなります。
天然水とRO水の種類によっても変わってきますが、密閉された未開封の状態であれば6か月~12か月が目安となります。これだけの長期保存が可能ですので、ウォーターサーバーのお水は災害時の備蓄水として使うこともできます。
開封したら早めに飲み切って!開封後の賞味期限は短い
未開封の時とは違い、一度開封すると空気が入り雑菌が繁殖しやすい状態になります。
雑菌が入り込むと水が傷んでしまうため、賞味期限も短くなります。
開封後の賞味期限は早くて2週間、長くても1か月となっています。
仮にウォーターサーバーの水ボトルの中で一番大きな12リットルの場合でも、家族で1日に1リットルのお水を飲むと考えると、2週間で十分飲み切ることができる量です。
ウォーターサーバーで使うお水はボトルの方式によって賞味期限が変わる
ウォーターサーバーのお水の賞味期限は、ボトルの方式によっても違ってきます。
ウォーターサーバーのボトルには「ワンウェイ方式」と「リターナブル方式」という2つのタイプがあります。
では、この2つのボトル方式で賞味期限がどう違ってくるのか解説していきましょう。
賞味期限が長いのは使い捨てタイプのワンウェイ方式
ワンウェイ方式というのは、ボトルが柔らかいため水を使うたびに圧縮していくタイプです。
お水を使い終わるとそのまま小さくたたんで捨てられるので、ボトル回収の手間が省けます。
ワンウェイ方式は、水を使うたびにボトルが圧縮されていくため空気が入らない構造になっています。
ですので、雑菌が繁殖するリスクが少なく、賞味期限も長めです。
空気が入りやすいリターナブル方式は賞味期限が短くなる傾向が
リターナブル方式はボトルが硬いため、お水を使うたびにボコボコと空気が入ってしまいます。
回収して再利用するために作られたボトルですので、お水を使うたびに圧縮されず空気が入りやすい構造です。
そのため、空気に交じって雑菌が入りやすく、ワンウェイ方式と比べると賞味期限が短い傾向にあります。
メーカーによっては空気に含まれる雑菌を除去するために、エアフィルターを搭載し、賞味期限を長くしているところもあります。
ウォーターサーバーで使うお水とその他のお水の賞味期限の比較
ウォーターサーバーで使うお水の賞味期限は短いもので3か月、長いもので12か月もちます。
では、普段使っている水道水はどれくらいの賞味期限なのでしょうか。
また、災害用のお水は賞味期限がかなり長くなっています。
災害用のお水は、なぜ賞味期限を長くできるのかなども知っておきましょう。
ウォーターサーバーで使うお水は比較的賞味期限が短め
ウォーターサーバーで使われるお水は、「美味しさ」を追求しています。
お水が美味しいと感じるのはミネラル成分によるものなので、メーカーによってはミネラルを添加して水ボトルを販売しています。
ミネラルは人体にも大切な栄養素ですので、豊富に入っていれば体にも良いですし、美味しいと感じます。
ミネラル成分まで濾過したRO水は真水(純水)になってしまうため味がありません。
ですのでRO水にも、再度ミネラルを添加して美味しく飲めるように販売しているメーカーがほとんどです。
しかし、ミネラルたっぷりで美味しいお水も、時間が経てば味にも変化が出てきます。
ですので、ウォーターサーバーのメーカーが「賞味期限」として表記しているのは、「美味しいうちに飲み切る期限」なのです。
品質の問題や安全性の問題などではなく、美味しく飲める「味」を重視して賞味期限を設定しているため、ウォーターサーバーのお水は賞味期限が短めになっています。
味に関係なくいつまで飲めるのかとなると、これまで解説してきた期間より格段に長くなります。
ですが、美味しく飲んでほしいという思いから、賞味期限を短くしているのです。
水道水の賞味期限は驚くほど短い
では、いつも使っている水道水の賞味期限はどれくらいなのでしょうか。
浄水器も何も通さない通常の水道水の場合、常温なら3日、冷蔵庫で保管すると10日はもちます。
賞味期限を短めに設定しているウォーターサーバーのお水と比べても、水道水は圧倒的に短くなっています。
水道水には消毒の為に塩素が含まれていますので、美味しく飲める期間となると短くなってしまうのです。
災害用のお水の賞味期限が長いのはなぜ?
では、皆さんが一番疑問に感じているであろう「災害用のお水の賞味期限」についてお話していきます。
RO水のように不純物を限りなくゼロに近い状態にしても賞味期限は6~12か月でした。
ですが、災害用のお水の賞味期限は年単位になっており、短いものでも3年、長いものになると5年もあります。
災害用のお水は、なぜこんなに賞味期限が長いのでしょうか。
災害用のお水は水道水を一度沸騰させ、水蒸気だけを集めて冷やしている蒸留水をボトルに詰めて販売しています。この蒸留水にする工程で、雑菌や不純物はほとんど取り除かれているため長期保存ができるのです。
「それならRO水も同じでは?」と思われるかもしれませんが、RO水は水道水自体を特殊なフィルターを通していますので、蒸留は行っていません。ですので、いくらRO水でも災害用のお水ほどの賞味期限は不可能です。
災害はいつ起こるかわからないため、長期保存を可能にした特殊な方法で作られたのが災害用のお水ですので、これだけ長い賞味期限が可能になっているのです。
ウォーターサーバーのお水を、できるだけ長い期間美味しく飲むには
ウォーターサーバーに使われているお水は、水道水に比べると賞味期限は比較的長いことがわかりました。
ですが、水ボトルの保管環境によっては賞味期限が短くなってしまうこともあります。
そこで、サーバーのお水をできるだけ長く美味しい状態で飲むためのコツをご紹介しておきましょう。
水ボトルを保管する時に避けたい場所
まず、ウォーターサーバーのお水を美味しく飲むには、保管場所が重要になってきます。
下記の3つの場所は保管場所として適していませんので、避けるようにしましょう。
- 直射日光が当たる場所
- ガスコンロやオーブンレンジ、冷蔵庫など熱源となる家電製品の近く
- ホコリが溜まりやすい場所や清潔に保たれていない場所
これらの場所の共通点は雑菌の繁殖リスクが高いということです。
熱源の周りや直射日光が当たって水ボトルの水温が高くなると雑菌が繁殖しやすくなります。
ホコリが溜まりやすく清潔ではない場所も雑菌が入り込む可能性がありますので、保管しないようにしましょう。
ウォーターサーバーを長期間使わない時も電源は切らない
ウォーターサーバーの説明書にも書かれていますが、基本的にサーバーの電源は切らないようにとなっています。
電気代がもったいないからと長期間使わない時は電源を切る人もいますが、これが雑菌繁殖の原因や電気代が高くなることにつながってしまうのです。
サーバーは冷水と温水がいつでも飲めるようになっていますが、電源を入れておくことで温度を一定に保っています。ですが、電源を切ると温水は冷えてしまうため、再度スイッチを入れた時に加熱する必要があり電気代が余計にかかってしまいます。
また、サーバー内の温度を保つことで雑菌が繁殖するリスクを下げ、水質を保っているため、電源を切ると雑菌が繁殖してしまうのです。
どうしても長期間使わないという時は、今使っているお水を全て飲みきり、サーバー内に残っている水をキレイに抜いてから電源を切るようにしましょう。
水ボトルへの配慮だけではなく、サーバーのセルフメンテナンスも行う
水ボトルへの配慮はもちろんですが、結局ウォーターサーバーの蛇口を通ってお水が出てくるため、美味しくお水を飲むにはサーバー本体のセルフメンテナンスも大切です。
自分でメンテナンスできる部分は、ボトルの差し込み口・蛇口・受け皿・背面などがあります。これらの部分を定期的に掃除すると雑菌の繁殖も抑えられ、美味しくお水を飲むことができます。
ウォーターサーバーのお水は美味しく飲めて賞味期限も比較的長い
ウォーターサーバーのお水は、美味しく飲める賞味期限が比較的長いことがわかりました。
もちろん、災害用のお水と比べると賞味期限は短くなりますが、水道水より長持ちします。
美味しいお水を長期間保存できますので、いつでも美味しいお水を飲みたいのであればウォーターサーバーが最適です。