健康のためにミネラルウォーターを飲んでいる方は多いですが、どんなミネラルが含まれているのか、またそれぞれのミネラルにどんな効能があるのかを知っている人は少ないのではないでしょうか。
またウォーターサーバーの導入を考えている方も、
「結局水道水と何が違うんだろう」
と疑問を感じているかもしれません。
今回は、知っておくとお水選びの際に役立つ「水のミネラル」について詳しく調べました。
入っている成分やその効能について知ることで、良い水を選ぶ必要性やその基準について知ることができ、毎日飲むお水もより美味しく感じるかもしれません。
それではまず、ウォーターサーバーと水道水の成分の違いについて考えてみましょう。
ウォーターサーバーの水と水道水の違い
水道水よりウォーターサーバーの水のほうが優れていると言われる理由は、
- ミネラル成分のバランスが良い
- 水道水にないミネラルが含まれている
- ミネラルの配合量が豊富
などの理由です。
※水道水に含まれる成分は地域により異なりますし、ウォーターサーバーメーカーにより配合されているミネラルも異なりますので、あくまで一般的な見解です。
意外に思われるかもしれませんが、水道水にもナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウム・ケイ素などのミネラルが含まれています。
しかし地域により含まれるミネラルや量は異なりますし、ほとんどの地域の水道局は水道水に含まれるミネラル量に関する詳細を明らかにしていません。
その点、ウォーターサーバーの水は各メーカーが配合されるミネラルとその量を公開しているため、自分が摂取したいと思っているミネラルがどの程度含まれているのか知ることができます。
さらに味やバランスを考えてミネラルの配合量を決定しているため、いつでも健康維持に最適なお水を飲むことができるのです。
ウォーターサーバーの「RO水」と「天然水」の違い
ウォーターサーバーが提供するお水には「RO水」と「天然水」の2種類があります。
RO水とは、水道水や地下水等の原水をRO膜という特殊な膜に通して洗浄し、加工した水を指します。
一度不純物を取り除いて純粋の状態にし、そこに必要なミネラルを足してミネラルウォーターを作ります。
いつでも同じ味、品質のお水を楽しめるのが特徴です。
天然水とは、山麓の地下水や湧き水など、自然が豊かな場所で採水された水を指します。
最低限の処理のみで出荷されるため、自然の美味しさを感じることができるお水です。
ミネラルの添加などは行いませんが、天然水でしか得られない自然のミネラルを摂取できるのが特徴です。
今やウォーターサーバーはどこの家庭でも見られるようになりました。 その理由は水道水の怖さです。 「家族には良い水を飲んでほしい」 「質の良い水で料理を作りたい」 ウォーターサーバーならお水もキレイだし大丈夫と設置を検討してい[…]
ウォーターサーバーの水に含まれるミネラル成分一覧
ウォーターサーバーのお水を選ぶ際に、水の成分表を目にしたことがあるかもしれません。
ミネラルの名前はどれも聞いたことがあるものの、一つひとつの効能については知らない場合が多いのではないでしょうか。
ここでよく聞くミネラルの名前とその効能について改めて考えてみましょう。
必須ミネラルとは
「ミネラル」とは、体を構成する4つの元素(酸素・炭素・水素・窒素)以外のものの総称で、「無機質」とも呼ばれます。
私達の体の96%は4つの元素で構成されており、残りの4%はミネラルであると言われています。
体の維持に欠かせないため、5大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル)のひとつとしても知られています。
健康維持に欠かせないミネラルですが、実は体内で生成することができないため、飲食で摂取する必要があります。
100種類以上あるミネラルの中でも、特に健康維持に欠かせない13種類のミネラル(亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・リン)が「必須ミネラル」として厚生労働省により定められています。
この13種類のミネラルの中で、普段飲むお水から摂取できるのがナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウムです。
ひとつずつその効能について見てみましょう。
※一日の推奨摂取量については、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」を参照しています。
ナトリウム
・体内での働き
細胞膜を通じて水分を移動させ、体内のPhが一定になるよう働いています。
筋肉の収縮や栄養素の吸収・輸送にも関係しているため、体が正常に機能するために欠かせない成分です。
さらに細胞外液や循環血液の量を調節する働きもあり、血圧の維持に大きく関わっています。
・1日の推奨摂取量
成人男女:600mg
・不足すると起こること
激しい運動や夏場の気温上昇などで大量に発汗すると、ナトリウムが不足する可能性があります。
不足した場合、脱水症状や食欲不振、疲労感や筋肉痛などを起こすでしょう。
・過剰摂取すると起こること
塩分の過剰摂取等が原因でナトリウムを過剰摂取した場合、水分の循環を正常に行うことができず、むくみや血圧の上昇の原因となります。
生活習慣病の高血圧や動脈硬化、胃ガンなどを引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
カルシウム
・体内での働き
カルシウムは体の1~2%を構成する成分であり、ミネラルの中で最も多く体内に存在しています。
骨や歯、筋肉を作るために欠かせない成分であるだけでなく、細胞分裂や筋肉収縮にも関わっているため、若々しい体を保つために積極的に摂取したい成分です。
また神経興奮の抑制など、精神衛生のためにも働いています。
ホルモンや消化酵素を分泌する合図を出す役割もあり、体内のバランスを保つうえで不可欠な成分と言えます。
・1日の推奨摂取量
18~29歳男性:800㎎
30~49歳男性:650㎎
50歳以上男性:700㎎
18歳以上女性:650㎎
※上限量:2,500㎎(18歳以上男女)
・不足すると起こること
よく知られているのが、骨粗しょう症を始めとする骨・歯が弱くなる症状です。
しかしカルシウムが不足すると体内のバランスが崩れるため、心疾患や高血圧症、動脈硬化などの生活習慣病のリスクも高くなります。
・過剰摂取すると起こること
カルシウムを摂取しすぎると、高カルシウム血症、高カルシウム尿症などのリスクが高くなります。
さらに鉄や亜鉛の吸収が妨げられ、鉄分不足状態になるでしょう。
カルシウムの過剰摂取により前立腺がんや泌尿器科系結石のリスクも高くなるので、上限量を守って摂取する必要があります。
マグネシウム
・体内での働き
マグネシウムは骨や筋肉、脳、神経に存在するミネラルです。
300種類もの酵素の働きに関わっていると言われており、体内酵素の活性化を促す働きがあります。
栄養素の合成や分解を助けてエネルギー産生を促したり、たんぱく質を合成して筋肉を維持するのを助けます。
血圧調整の機能や、血小板の凝結を抑えて血栓を作りにくくする作用もあります。
・1日の推奨摂取量
18~29歳男性:340㎎
30~49歳男性:370㎎
50~69歳男性:350㎎
70歳以上男性:320㎎
18~29歳女性:270㎎
30~69歳女性:290㎎
70歳以上女性:270㎎
・不足すると起こること
マグネシウムが不足すると不整脈が生じやすくなり、テタニー(筋肉の痙攣)も生じやすくなります。
血圧や血管の機能への影響が大きく、動脈硬化や虚血性心疾患などのリスクが高まります。
マグネシウムはカルシウムと深く関わりながら働いており、マグネシウムが不足するとカルシウムの値も下がってしまいます。
マグネシウム不足は、カルシウム不足ゆえに起こす健康障害の原因ともなるのです。
・過剰摂取すると起こること
マグネシウムは過剰摂取した分は尿により排出されるため、過剰摂取を過度に心配する必要はありません。
しかし腎臓の機能が低下している場合には排出を適切に行うことができず、高マグネシウム血症となる可能性があります。
高マグネシウム血症は血圧の低下や吐き気を引き起こします。
カリウム
・体内での働き
多くは細胞内に存在し、ナトリウムとの相互作用により細胞の浸透圧や水分を調節する役割があります。
余分な塩分(ナトリウム)を排出する働きがあるため、血圧を正常に保つ役割やむくみを予防する等の大切な役割を担っています。
・1日の推奨摂取量
18歳以上男性:3,000㎎
18歳以上女性:2,600㎎
・不足すると起こること
通常の食生活を送っていればカリウムが不足する可能性は低いのですが、スポーツによる大量の発汗や脱水症状の際に汗と共にカリウムが失われると、低カリウム血症を起こす可能性があります。
低カリウム血症になると、筋肉痛や嘔吐、痙攣などの症状が現れます。
・過剰摂取すると起こること
腎臓機能が低下している場合、高カリウム血症になる可能性があります。
高カリウム血症になった場合、脱力感や筋肉機能の低下、しびれ、嘔吐などの症状が現れ、重度の場合には心停止のリスクもあります。
天然水ウォーターサーバーの水に含まれるミネラル成分
上記の成分は基本的に水に含まれている成分、またはバランスのために配合される代表的な成分です。
天然水の場合には一般的にミネラルの添加はされていませんが、上記のミネラル成分に加えて、採水地ごとに異なるミネラル成分が含まれています。
特定のミネラルを摂取するためにウォーターサーバーを導入するという方もいるでしょう。
ここで天然水から摂取できるミネラル成分を紹介しましょう。
シリカ
・体内での働き
シリカは「ケイ素」という呼び名でも知られる物質です。
肌や髪、血管などに存在し、潤いを保つ働きのあるコラーゲンやエラスチン、コンドロイチンの生成・強化を促す働きがあります。
そのため近年では女性や高齢者に人気で、美容や健康のためにシリカ入りのお水を選ぶ方が増えています。
・1日の推奨摂取量
決められた摂取量はありませんが、成人が1日に消費するシリカの量は10~40mgと言われています。そのため、1日に30mg前後を目標に摂取すると良いでしょう。
・不足すると起こること
肌や髪、爪の潤いがなくなったり、血管の弾力が低下する可能性があります。
シリカは軟骨や靭帯の働きにもかかわるため、関節が動かしにくくなる等の症状も生じるでしょう。
・過剰摂取すると起こること
シリカは過剰摂取した分は尿から排出されるため、摂りすぎによる健康被害を心配する必要はないでしょう。
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バナジウム
・体内での働き
バナジウムは玄武岩などに含まれるミネラルで、玄武岩に染み込んだ天然水に含まれます。
日本国内でのバナジウム水の代表的な採水地は富士山近郊です。
バナジウムの効能についてはまだ研究中ですが、血糖値やコレステロール値、血圧を下げる効果が期待されており、生活習慣病の予防として摂取する方が多いです。
・1日の推奨摂取量
日本ではバナジウムは必須ミネラルに定められていないため、推奨摂取量は決められていません。
しかしアメリカでは食事摂取基準により1日に1.8μgの摂取が勧められています。
・不足すると起こること
バナジウム不足による健康被害の情報は今のところありません。
・過剰摂取すると起こること
バナジウムの過剰摂取による健康被害についてもはっきりした研究結果は出ていませんが、世界保健機構(WHO)によると「人に対して発がん性があるかもしれない」としています。
上記の摂取推奨量を参考に、適量を摂取することをおすすめします。
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まとめ
「ミネラル不足は体に悪い」
と何となくわかっているのと、ミネラルそれぞれの役割を知っているのとでは大きな違いがあります。
現代人は水分摂取量が不足していると言われていますが、水にどんなミネラルが含まれ、自分の体内でどのように働いているのかを知ると、積極的に水分を摂取する助けとなります。
またミネラルウォーターを購入したり、ウォーターサーバーのお水を選ぶ際にも、成分表を見て正しく自分の必要とする水を選ぶことができるでしょう。
ミネラルウォーターに一般的に含まれるミネラルは、以下の4つです。
- ナトリウム
栄養素の輸送、血圧の維持に役立っている - カルシウム
歯や骨、筋肉の健康維持に関わっている - マグネシウム
酵素の活性化、神経伝達機能に関わっている - カリウム
体内の水分量を調節する役割がある
天然水に含まれるミネラルの中でも人気があるのは、以下の成分です。
- シリカ
肌や髪、筋肉の健康維持に役立つとされている - バナジウム
生活習慣病の予防に効果があるとされている
ミネラルは私達の体のバランスを保つ、なくてはならない栄養素です。
意識的に食事で摂取するのは難しいので、毎日のお水でミネラル不足を補うのはいかがでしょうか。
おいしいお水を選ぶことで、毎日の体内バランスを整える健康習慣を始めることができます。