「飲む点滴」とも呼ばれる熱中症対策、脱水に効果的な経口補水液は、注目を集めているドリンクの1つ。
名前は知っているけど、飲んだことがないという方も多いのではないでしょうか?
実は、健康を気にする全ての方におすすめの万能なドリンクです。
健康のプロである筆者が、経口補水液のつくり方とおすすめの飲み方を伝授!毎日の生活をより健康的なものにしてみませんか?
経口補水液とは?
「経口補水液」は非常に健康効果の高い飲みものですが、残念なことにあまり知られていません。
まずは、経口補水液がどのような飲み物であるのか、スポーツドリンクとどのような点で異なるのかについて述べます。
脱水症の症状を予防、回復させるために最も適した水分
経口補水液は身体の栄養の吸収力に合わせてミネラル成分(ナトリウムやカルシウム)が配合されている、脱水症の症状を回復させるのに最も適した水分です。
成分の配合バランスから、多くの医療関係者が推奨している水分で、代表的な施設でいえばスポーツセンターやフィットネスクラブなどに置かれている場合もあります。
脱水に関する知識を持っておいていただきたいため、脱水症の症状について軽く触れます。
- めまいや頭痛
- 唾液、尿量の低下
- 悪心
- 重度になると意識障害やけいれん
夏場の暑い時期になると、特に身体から水分が奪われやすくなるため「こまめな水分補給」が必要になります。
水分が十分に摂取できていなければ、熱中症の初期症状(めまいや頭痛)を引き起こし、症状が重くなると意識障害や「けいれん」を起こし救急搬送されるケースは決して少なくありません。
この時、身体からは水分だけでなく「ナトリウム」(塩分)も同時に失われています。
汗を「しょっぱい」と感じるのはナトリウムの排出によるものですが、汗をかくうちに「汗をしょっぱく感じなくなる」という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は「しょっぱい」と感じなくなる時にはすでに、脱水の初期症状を起こしている可能性があります。
そのため、スポーツドリンクではなく、脱水時の身体の回復に特化した経口補水液を飲み、対応する必要性があるのです。
また、暑さだけではなく、感染症による下痢や嘔吐でも脱水につながることがあります。
水やスポーツドリンクであっても脱水を予防することが可能ですが、脱水の症状が軽度であってもあらわれている場合は、経口補水液を飲むことを強くおすすめしています。
脱水症の回復に高い効果のできる経口補水液ですが、スポーツドリンクとの違いはどのような点にあるのでしょうか。下記をご覧ください。
スポーツドリンクとの違いはココ!
簡潔に述べると、経口補水液はスポーツドリンクと比較して以下の違いがあります。
- 糖分の配合量が少なく、ナトリウムが多い
- 医薬品に準じた水分である
- 薬局やドラッグストアなど専門家がいる場所でしか手に入れることができない
前述しましたが、経口補水液には身体に適した濃度のナトリウムが配合されています。その分、糖分の量を控えているので「甘さはほとんど感じない」と思ってください。
また、ポカリスエットやアクエリアスなどのスポーツドリンクとは異なり医薬品に準じた商品であるため、コンビニやスーパーマーケットなど専門家のいない場所では販売されていません。
糖分が含まれているスポーツドリンクの方が「おいしく飲める」という方も多いのですが、飲みすぎてしまうと糖尿病などの生活習慣病のリスクがあるため、あまりおすすめできません。
経口補水液を飲みにくいと感じる方もいらっしゃいますので、その方向けに下記で「飲みやすくする方法」について触れています。そちらもご覧ください。
経口補水液のつくり方と注意点
経口補水液は「なかなか手に入れることができない」「夜中に脱水になったらどうしよう」と感じた方もいらっしゃるかと思いますが、実は自宅で簡単につくることが可能です!
ただ「配合量」がとても重要になりますので、先に注意点を理解したのちに「つくり方」をご覧ください。
経口補水液をつくる際の注意点
経口補水液をつくる際はナトリウムと糖分のバランスを的確に量ることが大切です。
この工程を「なんとなく」で済ませていたら経口補水液ではなくスポーツ飲料になってしまいます。
砂糖の量は多少変えても良いのですが、水に対するナトリウムの量は身体の健康を考えて作成された量となっておりますので、独断で変更しないようにしましょう。
また、家庭でつくる経口補水液は、1~2日を目安に飲みきることのできる量としてください。(菌の繁殖を防ぐため)
それでは、経口補水液のつくり方をご紹介します。
経口補水液のつくり方
まず、大さじと小さじを測定する用の計量スプーンを用意してください。
使用する材料は、水、砂糖、塩のみです。詳細は下記の表をご覧ください。
使用材料/量 | 水500ml | 水1L |
---|---|---|
砂糖 | 大さじ2と1/3 | 大さじ4と1/2 |
塩 | 小さじ1 | 小さじ1/2 |
計量スプーンを用い、水500mlもしくは1Lの経口補水液をつくる際の基準となる量です。
基準となる量の砂糖と塩を水に溶かすだけで完成。
常温でも冷やしても配合成分の変化はありませんが、多少冷えていた方が飲みやすいので冷蔵庫に保管しておくことをおすすめします。
経口補水液のおすすめの飲み方
自宅でも簡単につくることのできる経口補水液ですが、どのように飲むのが効果的なのでしょうか?おすすめの飲み方をご紹介します。
摂取目安量を参考に適量を摂取しよう
まず、守っていただきたいのが経口補水液の摂取基準量です。
経口補水液で最も知名度の高い「オーエスワン」を基準とした下記の表をご覧ください。
対象 | 摂取基準量 |
---|---|
学童~成人 | 500~1000ml/日 |
幼児 | 300~600ml/日 |
乳児 | 体重1㎏あたり30~50ml/日 |
小さなお子様と成人では必要とされる水分量も変わりますので、上記の表を参考にしてください。
1日に必要とされている水分量が成人の場合で約2.5Lですので、約半分を経口補水液に変えることで適切な水分バランスが保たれるということですね。
自宅でつくるのが面倒くさいと感じる方は、オーエスワンのリンクから情報の閲覧と製品の購入ができますので、そちらも参考にしてください。
少量をこまめに飲む
経口補水液は、他の飲み物と比較して「しょっぱい」ので一度に多くの量を飲むのは困難です。
そのため、口に含むことのできる量を1回分とし、数回に分けて飲む方法を推奨します。
特に脱水傾向にある場合や喉が渇いたと感じた際は摂取参考量を目安として飲まれるのが良いですね。
【プロが伝授!】経口補水液が飲みにくいと感じたら
「経口補水液をつくってみた、飲んでみたけど苦手」と感じた方や、子どもが飲みやすいように
工夫をしたいという方向けにアレンジを加えたやり方をご紹介します。
経口補水液の成分自体を変えるわけではないので、ワンポイント加えても効果に変化はありません。
ゼリータイプの経口補水液を飲む
ゼリータイプの経口補水液は、粘度が高いため「しょっぱさ」をあまり感じずに喉へと運ぶことができる点で効果的です。
小さなお子様やご高齢の方であってもムセが生じにくくなるため、非常に飲みやすく感じるかと思います。
ゼリータイプですと持ち歩きにも便利ですので、ぜひお試しください。
レモン果汁を加えることで「すっきり」爽やかになる
前述した経口補水液のつくり方にレモン果汁を加えるだけで、飲みやすくなります。
イメージとしては「しょっぱさ」がレモンの酸味によってマイルドになる感じです。
経口補水液には含まれていない美容の味方となる成分(ビタミンやクエン酸)なども摂取することができるため、女性から高い支持を得ています。
ほかにも、梅干しやグレープフルーツ果汁をおすすめしている方も多いので、ぜひ試してみてくださいね!
市販で購入することのできるおすすめの経口補水液3選!
薬局やドラッグストアなど市販で購入することのできる経口補水液の中でも、配合成分や飲みやすさを考慮したおすすめの3つの商品をご紹介します。
持ち歩きに最適な商品や、小さなお子様でもお飲みいただけるゼリータイプの商品も紹介していますので、ぜひご覧ください!
大塚製薬工場 オーエスワン
厚生労働省の認可がおりている経口補水液で最も知名度の高い商品です。
電解質と糖質のバランスにこだわり、身体への吸収速度を考え上でつくられています。
飲みやすい処方ですが、少し「しょっぱさ」を感じる方もいらっしゃるかと思いますので、前述した飲みやすくする方法を試してみてください。
日本薬剤 経口補水液 エブリサポート(パウダータイプ)
日本製剤から販売されている経口補水液(パウダータイプ)は、お好きなタイミングでお飲みいただけるのを強みとしています。
冷たい水または水の入ったペットボトルの中に1包入れ、軽く振るだけで簡単に経口補水液ができるため、非常用として置いておくこともできますね。
カバンの中や会社のデスクなどに保管しておくと、いざという時に重宝します。
オリヒロ 水分補給ゼリー
飲みやすいグレープフルーツ風味であることから、小さなお子様や経口補水液が苦手な方からも嬉しい声があがっています。
電解質を含むゼリー状のタイプなので、吸い込みやすいのもメリットですね。
ネット通販以外では、薬局やドラッグストアでも買えます。
さらに健康効果を高めたい方へ!経口補水液にはミネラルウォーターを使用しよう
手軽につくれる経口補水液ですが、水道水を使用するよりもミネラルウォーターを使用することで健康効果がアップします。
ミネラルウォーターにはカリウムやカルシウムなどのミネラル成分が含まれているため、身体の正常な活動をサポートする働きがあります。
日常生活に取り入れるだけで細胞の働きや血液の流れを良くする効果が期待できるため、ぜひミネラルウォーターを使用してみてください。
小さなお子様やご高齢の方がいらっしゃるご家庭では特に買い物にあまりいけない、重いものを持ちたくないという理由から仕方なく水道水を使用されている方も多いです。
その方におすすめなのがウォーターサーバーを自宅に取り入れること!
健康効果の高い新鮮な水を買いにいかなくてもお好きなタイミングで自宅に運んでくれるため、大変重宝します。
健康や美容のために「炭酸水」や「水素水」を飲んでいる方であれば、それらを作る機械の購入について一度は考えたことがあるのではないでしょうか。 実はウォーターサーバーにも、炭酸水や水素水を作る機能のついたものがあります。 サーバーを検討する[…]
ウォーターサーバーの水を経口補水液だけでなく飲用水として、そして料理に使用すればさらなる健康効果が生まれますよ!
少しでも健康に気を使いたいと思っている方は、ぜひこの機会にお試しください!
まとめ
経口補水液のつくり方と飲み方をご紹介しました。
筆者の主張をまとめます。
- 経口補水液は医薬品に準じたドリンクで、身体に最も吸収されやすい濃度に調整されているため脱水症の回復に効果的。
- 1日の摂取基準量を目安に、こまめに少量ずつ飲む飲み方がおすすめ
- 経口補水液を飲みにくいと感じたら、ゼリータイプを試したり、レモン果汁を加えてマイルドにして飲んでみよう
- 健康効果をさらにアップさせるためにミネラルウォーターの使用を検討してみよう
上記を踏まえて、毎日の健康のために経口補水液を取り入れましょう!