今やウォーターサーバーはどこの家庭でも見られるようになりました。
その理由は水道水の怖さです。
「家族には良い水を飲んでほしい」
「質の良い水で料理を作りたい」
ウォーターサーバーならお水もキレイだし大丈夫と設置を検討している人もいるでしょう。
ですが、いざウォーターサーバーを選ぼうとしたときに、お水に種類があることに困った人もいるでしょう。
ウォーターサーバーのお水はミネラルウォーターだけだと思っていたという人は意外と多く、お水の種類を知らないために間違った選び方をしている人もいます。
そこで、ウォーターサーバーに使われているお水がどんなお水なのか、種類や硬度、飲みやすさなどを比較していきます。
ウォーターサーバーに使われているお水の種類は2つ!どんなお水なの?
ウォーターサーバーに使われているお水は、大きく分けると2種類あります。
それは「天然水」と「RO水」です。
使われているお水が天然水だけだと思っている人が多く、RO水のことを知らない人がほとんどです。
また、メーカーによって天然水の種類も違いますので、まずは天然水とRO水の違いをご説明していきましょう。
自然の恵みを受けた天然水!メーカーによって種類が違う
天然水とは、大自然の恩恵を受けたミネラルたっぷりのお水です。
自然界から抽出したお水を加熱処理していないので、天然水そのままの味を楽しめます。
天然水が人気なのは、人体に不可欠なミネラルを豊富に含んでいるところです。
大地に降り注いだ雨が何百年という年月をかけて、大地の力を借りてろ過されています。
そして、大地の間を通過するたびにカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを吸収しているのです。
人間はミネラルが不足すると病気になったり免疫力が落ちる、病気の改善が遅いなど体に不調が出てきます。
また、カルシウムが不足するとイライラするように、ミネラルは精神面でも大きな影響を与えています。
そのミネラルを豊富に含んでいるのが天然水なので、天然水をいつでも飲めるウォーターサーバーに人気が出たのです。
ですが、メーカーによっては天然水の種類が違います。
天然水は「ナチュラルウォーター」「ナチュラルミネラルウォーター」「ミネラルウォーター」など様々な名前で書かれます。
ですが、全てが同じ天然水ではないのです。
ここでの「種類」というのは、天然水を採取した場所ではなく、「処理の仕方」で種類が変わってきます。
記載方法は農林水産省で定められているため、記載名でどんな水かが分かれば、天然水選びで迷うことはありません。
本当の天然水はナチュラルウォーター
お水に「ナチュラルウォーター」という記載があれば、本当の天然水です。
ナチュラルウォーターは、「特定の水源地から採取された地下水」で、「沈殿・濾過・加熱殺菌以外の処理」を行っていない水です。
つまり、お水の味を調えたり、ミネラル成分を新たに加えるなどの処理をしていない純粋な天然水です。
天然水となる湧水には胃腸に悪さをする「ピロリ菌」がいるため、安全のために濾過や加熱処理をしなければなりませんが、成分を調整するようなことはありません。
ミネラルが多いナチュラルミネラルウォーター
本当の天然水「ナチュラルウォーター」の中でも、特にミネラル成分が多いものを「ナチュラルミネラルウォーター」と言います。
メーカーによっては、ナチュラルウォーターにミネラル成分を加えて販売しているものもあります。
人体に必要なミネラルは約30種類あるので、その30種類を補えるようにミネラル成分を加えているのです。
ミネラル分を調整したミネラルウォーター
最後に、皆さんが良く目にするミネラルウォーターですが、ミネラルウォーターの原水は、ミネラル成分を加えた「ナチュラルミネラルウォーター」です。
ナチュラルミネラルウォーターのミネラル成分の調整をおこなったり、複数の水源地のナチュラルミネラルウォーターを混ぜるなどの処理を行っています。
つまり、ミネラルウォーターが一番人の手が加わっており、天然水の中では「天然水」から一番遠いお水になります。
より安全でキレイな水ならRO水
では次にRO水を詳しく解説していきましょう。
RO水はとてもすごい技術が使われているお水で、アメリカ航空宇宙局のNASAが開発した技術を採用しています。
宇宙空間ではお水の確保が難しく、どうお水を確保すればいいかと考えだされたのがRO水です。
RO水とは、まず排水など不純物の多い水をRO膜という逆浸透膜を通すことで、不純物をゼロに近い状態まで取り除き真水にします。
この真水をさらにRO膜を通し、繰り返し濾過することで純粋な真水にします。
真水ということはミネラル成分も除去されているのですが、ミネラル成分の分子はとても小さく、それまでの技術では濾過しても通り抜けていました。
ですが、RO膜で濾過することで分子の小さなミネラルまで除去できるようになったのです。
「ミネラルって体に大切なものだから除去しない方がよいのでは?」と思われるかもしれません。
ですが、ミネラルを除去できるということは、限りなく不純物がない真水になります。
つまり、ミネラルと同じくらい分子の小さい、放射線物質やウイルスなどの細菌、塩素、重金属など、人間に害を与えるものも除去してくれるのです。
東日本大震災により原発から放射線物質が漏れ出し「セシウム問題」が起こりました。
水道水にもセシウムが入り込み、一時期水道水を使わなくなった人もいるのではないでしょうか。
ですが、そのセシウムを除去できる唯一の方法がRO技術ということで、一気にRO技術は知られるようになりました。
このRO膜の技術を利用したお水が、RO水なのです。
ウィルスや放射線物質までカットする安全なお水
実は、お水は良いものも悪いものも何でも溶かし込んでしまう性質を持っています。
そのため、体によいミネラルを溶かし込むこともできれば、体に悪い放射線物質やウイルスなどの細菌まで溶かし込んでしまうのです。
ですが、RO技術のおかげで不純物はキレイに取り除かれ、純粋な真水にすることができました。
「安全で安心して飲める水がほしい」という人のために応えることができたのはRO技術のおかげなのです。
腐りやすい水が1年間の長期保存ができるのはRO水だから
水道水など、不純物を含む水は腐りやすいことをご存知でしょうか。
お風呂のお水を想像していただければわかりやすいかと思います。お風呂のお水を溜めて置いておくと、翌日には臭くなっていませんか?
もちろん、人間に付着した雑菌や汚れの影響もありますが、特に「止まっている」水は腐りやすいのです。
川や海など「流れがある水」は常にミネラル成分が動いているため、ほとんど腐ることはありません。
ですが、お風呂に溜めたお水のように「止まっているお水」は腐りやすいのです。
その原因は細菌の繁殖です。
止まっているお水は細菌が繁殖しやすく、腐りやすいのです。
ですが、不純物をゼロに近いレベルまで取り除いたRO水は、細菌や不純物が含まれていないため、1年間の長期保存も可能なのです。
この1年間というのは、ボトルなどに閉じ込めて水が「止まっている」状態での保存期間です。
RO水は赤ちゃんのミルクや飲み物、料理にも最適
RO水は「安心・安全」を考える人にとっては最適なお水です。
特に、抵抗力の弱い赤ちゃんにはRO水が良いでしょう。
また、不純物が徹底的に除去されている真水ですので、紅茶やコーヒーを作ると素材本来の味や色合いを引き出し、とても美味しく飲むことができます。
さらに料理に使われる素材も、本来の味を引き出してくれるので、使っている素材の味が色濃く出て、濃厚な味わいを引き出すことができます。
ウォーターサーバーの2種類のお水の硬度は?どっちが飲みやすい?
では、天然水とRO水がどのようなお水かわかったところで、次は飲みやすさについて解説していきます。
お水には「硬度」というものがあり、硬度の違いによってお水の味も変わってきます。
硬度を示す表示として「軟水」と「硬水」があり、お水に含まれているカルシウムとマグネシウムの量で違ってきます。
軟水と硬水の区分分けは国によってそれぞれ基準が基準が違いますので、日本の基準で解説していきます。
「軟水」や「硬水」って何?
日本で硬度を計測する時は、お水1リットル中のカルシウムとマグネシウムの合計量を炭酸カルシウムに変換して計測します。
炭酸カルシウム量が0~120ppmの時は「軟水」、それ以上が「硬水」と呼ばれます。
180ppmを超えると確実に「硬水」と呼ばれるレベルです。
「軟水」はカルシウムとマグネシウムの含有量が少ないことから、お水自体がとても柔らかく、「硬水」はカルシウムとマグネシウムの含有量が多いのでお水が硬くなります。
よく「この水柔らかいね」「この水かなり硬めだな」など、お水のことを「柔らかい」や「硬い」と表現していますが、これは硬度のことなのです。
天然水やRO水は軟水と硬水のどっち?飲みやすいのは?
では、ウォーターサーバーに使われている天然水やRO水は軟水と硬水のどちらなのでしょうか。
また、硬水と軟水はどちらの方が飲みやすいのでしょうか。
まず、天然水はミネラル成分が豊富に含まれているため基本は「硬水」です。
ですが、メーカーによってはミネラル成分を調整して、ミネラルウォーターとして販売しているところもあります。
日本の水道水が約20~100ppmの軟水のため、日本人は軟水が飲みやすいと感じます。
そのため、本来硬水である天然水のミネラル成分を減らし、硬度を20~100ppmにして販売しているメーカーがほとんどです。
一方、RO水はミネラルまで除去していますので、硬度はとても低く1ppm以下の「超軟水」です。
ただし、「超軟水」ということは、何の味もしない無味無臭です。
水はどれも無味無臭と思われるかもしれませんが、飲み比べてみれば味の違いがわかります。
1ppm以下の超軟水になると、逆に飲みにくく感じます。
日本の水道水が20~100ppmですので、飲みにくく感じて当然です。
ですので、メーカーによっては不純物を極限まで取り除いたRO水に、ミネラルを加えて煮硬度を上げ、飲みやすくしているところもあります。
結局どっちが飲みやすいの?となると、天然水もRO水も、どちらも何の調整も加えない場合、硬すぎる天然水と柔らかすぎるRO水となり、どちらも飲みにくいでしょう。
ですが日本人が飲みやすいようにミネラル成分を調整して、天然水は硬度を下げ、RO水は硬度を上げているメーカーがほとんどですので、飲みやすさは好みの問題になります。
ウォーターサーバーの2種類のお水は、好みで選ぶ人が多い
ウォーターサーバーに使われている天然水とRO水は、いったいどっちがいいの?と思われたかもしれません。
結果は、どちらも優れた水ということです。
選ぶ基準を作るとしたらお水の使い方と好みではないでしょうか。
健康のために天然水のミネラルたっぷりの高い硬度のものが良いという人は天然水を選ぶでしょうし、紅茶やコーヒーの抽出に適した方が水が良いというなら硬度が低いRO水を選ぶでしょう。
また、硬水の方が好き、軟水の方が好きなど好みの問題もあります。
一つ言えることはウォーターサーバーに使われているお水は、どちらも質が高いということです。